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最初に訪問したのは、夫婦共働きのKさん宅。
Kさんは世田谷の閑静な住宅街に住み、まさに雑誌に出てくるような生活をしている。
彼の奥様はまだ小さな子どもがいるものの、子どもを両親に預け、出産前同様バリバリ働いていた。
この家庭で学ぶべき点は家事の分担。
奥様がご飯を作っている間、Kさんは取り皿や箸置きを並べる。
食事がすむとKさんがパっと席を立ち、台所へ向かい洗いもの。
この光景をはじめてみた時、私は大きな衝撃を受けた。
私の父は「仕事命」のサラリーマンだったし、母は平凡な専業主婦。
父は引退した今でこそなんでもやるが、現役時代に台所に立った姿をほとんどみたことがない。
男性が家事をする姿をまのあたりにしたのは、Kさんがはじめて。
この家で私は大きな意識改革をし、働く女性には家事をする男が向いているのだと悟った。
彼をKさん宅に連れていった日は鍋ものをごちそうになった。
私たち夫婦が訪れてもKさん宅の家事分担は変わらず、いつものようにKさんが洗いものをしていた。
私が「家事を手伝ってくれていいですね」と奥様にいうと、「働く女性を嫁にもらったんだから当然よ」とKさんに向かってニッコリ。
Kさんは洗いものをする手を止めることなく、優しくほほえみ返した。
こうして周囲からさりげなく助言してもらうのも効果的だ。
この当時、私たちはまだいっしょに暮らしていなかったが、私のアパートで自炊することが多かった。
自分の部屋ということもあり、彼にはいっさい家事を手伝わせていなかったのだが、Kさん宅訪問以来、彼も家事に参加。
食後の後かたづけは彼の担当となったのである。
次に訪問したのはFさん宅。
ここで参考にしたかったのは、家族の在りかただった。
Fさんは身長一八三センチで、若いころは相当モテたであろうルックス。
今でもその面影が残っているが、浮気の経験はゼロ。
カメラマンという職業柄、遊ぼうと思えばいくらでも遊べるはず。
だがFさんは「超」が3つもつくほどまじめで、なによりも家族を大切にしている。
Fさんをつねに立てる奥様は、節約じょうずで趣味は貯金。
二人の子どもを育てながら趣味のテニスも楽しむという、じつにパワフルな女性だ。
Fさん宅はつねに笑いがたえず、遊びに行くと時間のたつのも忘れ、つい長居をしてしまう。
はじめて彼といっしょに遊びに行った時も、夜中近くまで大騒ぎしてしまったくらいだ。
人見知りで口下手な彼が「またFさんの家に行きたいね」というのをきいて、私はとっても嬉しかった。
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